幹事報告

岩﨑　　重曉　幹事

１．「ロータリーの友」「ガバナー月信」お持ち帰りの上精読ください。

２．他クラブ週報回覧いたしますので、ご覧ください。

３．那智勝浦ロータリークラブより「那智勝浦町観光ガイド」が送付されて
　　まいりました。先般の台風１２号による被害から立ち直りつつあるので
　　ぜひ観光等にご利用くださいとのことです。

４．2011-2012年度第２５回GSEプログラム実施報告書が参りました。
　　お目通しのほどお願いいたします。

卓話

「弁護士としての私に質問が来る、一般的に見れば素朴な質問」

茂木立　仁　会員

１　弁護士業１８年目に入りました。
　　弁護士の業界的には、５０代でやっと中堅という感じですので、まだまだ若手のペーペーという評価になります。
　　それでも、業界慣れはしすぎていて、一般の方の質問に当り前でないかと思ってしまいますが、マスコミを含め、情報がかなりおかしな場合もあるので、これまで聞かれたりした素朴な質問を集めてみました。
２　素朴な質問（刑事事件編）
(1) 被告人がうそを言っていると思ったらどうするか？
より好んで刑事はしていませんが、できないのは問題と思っていますので、受任に拒絶はしていません。
なお、被告人とは、刑事事件で起訴されている人です。民事事件の被告とは違います。
刑事事件の場合、弁護士が弁護人になります。弁護士は資格です。弁護人は、刑事手続きにおける、被告人を弁護する地位ということになります。
ちなみに、弁護士に対応するのは、検事、弁護人に対応するのは検察官です。細かい話ですが、検察庁には、司法試験に受かってなくても検察官の仕事をする、副検事という資格があります。
被告人がうそを言った場合どうするかですが、これは弁護人によって、意見が変わってくるところだと思います。被告人本人に対しては、「それは通用しないと思う」とか「うそをつく意味はないしねえ」などこちらの責任でないことは明確にしておく必要があります。
(2) 弁護人はいらない場合があるのではないか。
確かにそういう事件がないことはないです。特に自白事件などは、国選など無駄に費用が掛かるという点はその通りだと思います。
ただ、刑事弁護は、すでに述べたとおり、権力に対する懐疑の観点から作られています。要は、権力者が自らの意思のみで処罰してきた過去から、権力者に制限を加えている形となっています。現代においても、その可能性が否定できないし、権力を持つと態度が変わる人がいることは皆さんご存知でしょうから、やはり弁護人という立場が必要となります。自白しているからといって、意図的に重い懲役を求められたら、それは妥当でないと弁護人は言わなければならないのです。現実に見ても、何度この件が起訴されて、この件が不起訴となっているのか、かなり疑問な場合があります。検察官に対する態度が悪いかどうかで、変わってしまう場合が現実にあると思っています。

３　素朴な質問（民事事件編）
(1) 　勝率１００％の弁護士はいるのですか？
　いるかもしれないですが、勝訴することにこだわることが意味あるわけではないと思います。これは証拠からみて負けるなあと思えば、その事件を受けないという対応をしていれば、１００％はありえるかもしれません。また、銀行からの取り立て訴訟ばかりしていれば、１００％にかなり近づくと思います。
　ただ、事件解決は、判決で全面勝訴することがいいかどうかは考えるべきです。やはり、早期解決や、一定の譲歩はせざるを得ない場合というのはありえると思います。
(2) 　なぜ、テレビ番組とかで、弁護士同士なのに、結論が反対になるのか？
　基本的には、事実認定の問題となれば、相談者が本当のことを言っていると考えるのか、相談者が本当のことを言っていないのではないか（自ら有利なことしか言っていないのではないか）という観点によって、まったく正反対の答えになります。
　具体的に言えば、
　　相手からこんなことされているんだけど、慰謝料請求できるか？という相談の場合、
　そんなことされているのが事実であれば、慰謝料できますよ、と答えることも可能ですし、相手方は、まずその事実を否定してくる可能性がありますよ、その証拠がないのであれば、請求は難しいです、とか、別の次元ですが、慰謝料を払わなければいけないとまで裁判官が評価するかは難しい、日本は慰謝料の額が低額で、肝がんに認められない、という答えることもできます。
　依頼者と信頼関係のある場合であれば、リスクを考えて、リスクを回避できるかで真面目に検討すると、否定的に回答になりがちです。本当に訴訟をするとなれば、証書できるかという点で、難しい、慰謝料であれば、費用対効果が疑問という観点からきっちり検討していく必要があります。
(3) 　弁護士は受任義務があるのではないのか（と言ったりする人はいます）。
　基本は、いわゆる委任関係で、委任は契約ですから、弁護士に受忍義務まで存するということはないです。１００％勝訴の件で話したように、選ぶことは可能です。労働者側の事件は基本的にしないとか、医療過誤の患者側しかしないという弁護士もいると思います。事務所によって、受任拒絶はしないということを言っている事務所もあるかもしれません（ｋ系）。ただ、ややこしい人が増えてきたので、基本的にそのようなことを言っていないのではないかと思います。
(4) 　弁護士に頼んだけど、相手方が先輩の弁護士であるので、相手の言うことばっかり聞いている・・・・
　弁護士が、相手方の弁護士が知り合いだとか先輩だからと言って、譲歩するかといえば、基本的にしないと思います。そんなことをしたら弁護士は仕事にならないですし、依頼者との信頼関係で問題が大きすぎます。弁護士の懲戒が問題となっていますが、怖いのは相手方からの懲戒ではなく、依頼者からの懲戒です。先輩や年長の方に対して、敬語で行くことはありますが、中身は別問題です。

その他の報告

今月のお誕生日・結婚記念日のお祝い　親睦委員会

お誕生日　　河南　和幸　会員
　　　　　　真野　博　　会員
結婚記念日　髙橋　邦雄　会員