会長報告
岩﨑 重曉 会長
皆様こんばんわ。今日は会長報告らしい会長報告ができそうです。12月6日(日)ポートピアホテルにて「職業奉仕/増強・拡大合同セミナー」が開催され、岡田利夫幹事とともに出席してまいりました。もちろん地区職業奉仕委員をお勤めいただいている宇尾好博会員もご出席でした。
さて、丸尾ガバナーの挨拶のあと深川純一パストガバナーの「職業奉仕の動向」という講演があったのですが、そのほんの一部ではありますが特に印象にのこっている部分をご紹介申し上げます。お話の前半には「一業一会員制」の根本原理について下記の言葉を引用しながらの解説がありました。
・<一業一会員制の根底原理>アーサー・フレデリック・シェルドン
少数の人のもっとも良質な親睦が、他の団体では果しえない社会改良のエネルギーになる
・<ロータリーの思考>
現象(具体的には会員数減少等を指すと思われます)に惑わされることなく、本質を見抜く。
・<ロータリーの価値>1974-75RI会長ウィリアム・R・ロビンス
ロータリーの価値は何によって測られるか、クラブの規模の大小や会員数の多寡ではない。そのクラブが如何なる人を育てたかによってロータリーの価値は測られる。
この部分で、深川先生は一業一会員制撤廃に疑問をもっておられるように感じました。我が神戸中RCにありましては、今期まさに安易な会員数増強は慎もうとしているところではあります。また、「職業奉仕と会員増強は表裏一体である」とも仰っていたのですが、視点を変えて「会員増強」の立ち位置から眺めてみます。候補者があれば、推薦者は多分まず個人的にロータリアンの義務をふくめたロータリーの概略について候補者と語り合うことから始めると思います。それを無事通過してこそ所属クラブに推薦することになるのですが、語り合いの中で推薦者の人格が、私のようにあまりにもお粗末であると、候補者は引いてしまうことになりかねません。そのような憂き目を見ないためにも推薦者は十分な準備をしておく必要があるのですがその準備として「職業奉仕」という考え方を十分に消化しておくことこそ、「十分な準備」足りえるということではないのでしょうか。そんなことを思いながら黄昏時のせまったポートピアホテルを後にしました。良い一日を過ごせたと思います。
卓話

「 地区米山委員会に出向して 」
当 番 河南 和幸 会員
2年前から、地区米山奨学委員会に出向していますが、米山記念奨学会についてはあまり知識がありませんでした。2年経過して自分なりに理解してきたことをお話ししたいと思います。公益財団法人 ロータリー米山記念奨学会とは、日本全国のロータリークラブ会員の寄付金を財源として、勉学、研究を志して日本に在籍している外国人留学生に対し奨学金を支給する民間最大の奨学団体であると謳っています。
従って、外国人留学生ならだれでも対象となり得る反面、米山奨学会が指定した学校に在籍している留学生に限られています。また、支給学年は、論文の仕上げ段階で忙しくなりアルバイトに時間を割けることができない時期であるとして3,4年生が対象となります。また、日本語の習得もその頃には上達しコミュケーションが取れているだろうと考えています。日本には、奨学金を支給する団体が107あります。大多数の団体からの奨学金は、月額5万円位がほとんどで、対象数は若干名から10人ほどですが、米山の場合は対象者数750名 学部学生なら10万円 大学院なら14万円の支援ですから民間最大と言えます。最近2680地区には、中国・韓国・台湾以外からの留学生が激減しています。そのことも、一国に奨学生が集中している原因の一つです。
会員皆さんの貴重な浄財を効果的に配分できるように、地区の委員会で毎回検討を重ねていますが、妙案がなかなか見当たらないのが現状です。
<公益財団法人 ロータリー米山記念奨学会とは>
日本全国のロータリークラブ会員の寄付金を財源として、勉学、研究を志して日本に在籍している外国人留学生に対し奨学金を支給し支援する、民間最大の奨学団体です。
<その歴史>
1952年 米山基金 試案発表
1954年 第1期生(タイより来日)
1959年 世話クラブ 開始
1967年 財団法人ロータリー米山記念奨学会 設立
1971年 カウンセラー制度 開始
2017年 50周年
<支援者数累計>
合計18,648名 中国 39.7% 韓国14.4% ベトナム11.1% その他 34.8%
そのうち2015年度は730名を支援 中国 33.0% 韓国 22.9% 台湾 18.3% この3か国で74.2%
<現状の問題点>
1.会員から、中国留学生の米山奨学生採用に対する問題提起が多い。
2.最近の来日学生の変化
当地大学で中国、韓国以外の国々からの留学生が多数在籍していたが、最近激減し中国籍だけの比率が高くしかも学業成績が平均して高く、優秀な選考された米山奨学生の応募が多くなると懸念している。
3. 神戸大学からの応募が突出している
ほかの他の大学にも、例え1名の採用を実施することで、米山奨学事業の理解を県内に広め、又地方のクラブへ世話を願うように配慮している。
<クラブからの要望例>
・奨学生の選び方に疑問がある。
・奨学金の生活費に使わず旅行・ブランド品に使っている。
使い道を地区が把握すべきである。
・経済力のない国から選ぶべき
・選考が不透明。選考の基準が分からない
・PHDからの学生は受け入れているが、特定の国籍に偏るのはいかがなものか。
<設立のきっかけ>
メソジスト派の福音派をたよってアメリカへ渡った米山梅吉は、サンフランシスコに滞在しました。ここには、40-50人の日本人青年がいろいろな志をもって身を寄せていました。このころ、学費をもってアメリカへ行く青年はほとんどありませんでした。アメリカには貧しい青年のために学問の道が開かれていました。こうした学生はスクールボーイと呼ばれ、住む部屋を与えられ、仕事の合い間に学校へ行くことが許されていました。梅吉はこの仲間に入って働きながら勉強しました。こういった制度を日本にも導入しようと
設立されました。
<奨学生になる為の資質>
“目的” 米山奨学会は、留学生の優れた学業の達成を支援し、同時にカウンセラーや世話クラブとの交流を通じ、ロータリー精神を学び、国際理解を深め日本と母国との懸け橋となるなど国際親善に尽くす人材を育てることを目的とし、米山奨学生は、ロータリークラブを通して日本の文化、習慣などに触れ、社会参加と社会貢献の意識を育て、将来ロータリーの理想とする国際平和の創造と維持に貢献する人となることが期待されます。
“米山奨学生に求められる資質”
①学業 研鑽を重ねてその成果を上げる努力をする。
②異文化理解 異なる言語・文化・習慣を理解する努力をする。
③コミニュケーション能力 他者を受け入れる柔軟な姿勢をもつ。
<ロータリー米山記念奨学生への道>
1.応募方法 指定校の該当窓口に申込書を提出
2.申し込み期間 8月中旬~10月15日 申し込み締め切り 10月15日
3.選考試験日 11月下旬~12月下旬 2680地区は、12月12日(土)10~17時
4.選考試験内容 書類審査と日本語による面
5.募集人員 約500名(奨学生736名枠の内、新規は500名)
本年度に2680地区の米山奨学会に振り分けられた
奨学生枠=21名(一昨年の2680地区の寄付金から算定)
21名-5名(継続の奨学生)=16名が新規採用
16名-1.5名(PHD枠)-0.5名(YMCA枠)=14名(今年の面接での採用枠)
今年は、38名の応募(内4名は、PHD・YMCA枠)なので、34名を面接
<指定校について>
文部科学省が、所管する大学等を対象とし、地区選考委員会が、地区内の学校を指定する。毎年協議し7月下旬に公表される。簡単に言えば、まず、毎年地区の大学等に留学生はいますかと問い合わせます。こんな奨学金制度がありますが、応募しませんか?そして、大学等から、返事があればそこを指定校にします。できるだけ多くの学校から応募して貰いたいので、時には、こちらから説明に行くこともあります。
<2680地区の指定校>
・神戸大学 ・関西学院大学 ・神戸芸術工科大学 ・神戸国際大学
・神戸市外国語大学 ・神戸市看護大学 ・神戸情報大学院大学 ・流通科学大学
・神戸山手大学 ・姫路獨協大学 ・兵庫教育大学 ・兵庫県立大学
・武庫川女子大学 ・明石工業高等専門学校(地区奨励)
・神戸YMCA学院専門学校(地区奨励)
・公益財団法人PHD協会(地区奨励) 計16校
<PHD協会を指定した理由>
アジアの寒村より青年を招き日本語の講習を受講、夜はPHD協会で復習、日本語が理解できると、各地で農業・漁業・裁縫・保健衛生・栄養学・共同組合の運営など、現地研修を得て、1年後帰国して各々の村で指導者として生活向上と村人の自立を促して大きな実績を上げています。我々はこれぞ目に見える社会貢献だと自信を持って毎年継続しています。
1981年 設立
1985年 米山奨学会の支援開始
<募集対象>
① 2016年に日本の大学・大学院および大学と同等とみなされる高等教育機関に在籍・在籍予定の外国人留学生(日本国籍の有する者は対象外)
② 学位取得を目的としている者
③ 長期履修学生制度の学生は対象としない
①~③すべてに該当する者
*長期履修学生制度 大学院には「修業年限」が定められていますが、働いているために勉強時間の確保が困難などの事情がある場合には、入学から終了までの期間を長期に設定して履修することが可能です。長期履修学生制度は、主に職業や家事に従事しながら勉強をする院生を想定した制度です。
<応募資格>
① 米山記念奨学会が定める指定校に在籍・進学・編入していること
② 学部課程 3・4年
高専 1・2年
専修学校 3・4年
大学院修士課程 1・2年
大学院博士課程 2・3年
こんな人はダメ!
① 45歳以上
② 過去に米山奨学金を受けた人
③ 博士の学位をすでに取得している人(但し、違う分野の博士を取ろうとしている人は、OK!)
④ 他から奨学金を受けている人
<採用年数と2680地区の現状>
① 奨学金支給は、卒業で打ち切られる。最終学年の応募であれば、1年となるが、卒業までの年数が2年超の学生は、最高2年支給
② 学部生・院生・博士 すべてが対象です。採用には、指導教授の推薦が大きく影響する。
③ 2680地区でも、学部生の採用をしているが、学校へのアンケートで、留学生がいない学校に指定していない。また、地区として、できるだけ優秀な学生の応募を期待しているので、大学院生の推薦をお願いしている。
<奨学金額>奨学期間開始 4月
・学部課程ロータリー米山記念奨学金 月額10万円
・修士課程 〃 月額14万円
・博士課程 〃 月額14万円
<2014年度 指定校からの申し込み数>
合計47名(内4名は地区奨励校)
*国籍別 中国 27名 韓国 12名 台湾 1名 インド ベトナム カンボジア
この中から15名 結果 中国 9名 韓国 3名
*大学別 神戸大学 中国 10名/20名 関西学院 中国 2名/4名
<2015年度 指定校からの申し込み数>
合計38名(内4名は地区奨励校)
・神戸大学 (15名) ・関西学院大学 (4名) ・神戸芸術工科大学 (1名)
・神戸国際大学
・神戸市外国語大学 (1名)・神戸市看護大学 ・神戸情報大学院大学 (1名)
・流通科学大学 (2名)・神戸山手大学 (2名)・姫路獨協大学 (2名)
・兵庫教育大学 (2名)・兵庫県立大学 (3名)・武庫川女子大学(1名)
・明石工業高等専門学校(地区奨励) ・神戸YMCA学院専門学校 (地区奨励) (1名)
・公益財団法人PHD協会(地区奨励) (3名)
*国籍別 38名 (内4名は地区奨励校)
中国 18名 韓国 8名 台湾 3名
フランス トルコ モンゴル インドネシア タイ この中から14名
*大学別 神戸大学 中国 7名/15名 関西学院 中国 2名/4名
奨学生を選抜するというのは、想像以上に厳しい仕事ですが、頑張って勤めを果たしたいと思います。
「 子供を取り巻く現状 」
当 番 井原 一久 会員
●子どもの体力の低下…ゲームのせいではない→遊び場がなくなったから
『自然スペース』 『道スペース』『オープンスペース』 『遊具スペース』
『アナーキースペース』 『アジトスペース』
これらの遊び場が社会から消えた!
●子どもの教育などの投資はいつが効果的か?・・・就学前に教育やしつけが大切!
※ペリー教育プログラム
アフリカ系アメリカ人の3&#123164歳時へ教育を施した群と、施さなかった群の比較
〔考察〕
①幼児教育を施した群は8歳まではIQ等、施さなかった群より高い数値を示す。
しかしながら8歳以降は特段大きな差が見られない。
②年齢を追うに従い、進学、留年、年数、犯罪、資産などに幼児教育を施した層に高い数値がみられる。
③幼児教育が「非認知能力=考える力」の高さとの相関関係がみられる。
●子どものほめ方の研究
〔ご褒美〕
「テストでいい点を取ったことにご褒美」×
「本を1冊読んだことにご褒美」〇…こちらの方が高校卒業時の成績が良かった。
〔ほめるポイント〕
「能力をほめる」×
「努力(過程)をほめる」〇…長期的にIQが伸びる。
●最近ひそかに増えている貧困者層児童
公的な生活援助を受けている児童数全体の15.7%
原因:親の失業・シングルマザー・奨学金貧乏・祖父母の介護など
こういった、子供たちへの支援は社会的財政負担を将来的に減らすことにつながる。