会長報告

☆会長 茂木立 仁 会員

DEIというと、何か新しいものと思いがちですが、ロータリーの中でも新しいものではないです。要は、4つのテストと同じスタンスを別の方向性で表したものと考えるべきと思います。「皆に公平か」はまさにそれです。 エクイティという言葉自体、イギリス法は、コモンローとエクイティに基づくと言われることからも、かなり前からある概念です。

エクイティ（Equity）とは、個々の人に合わせた支援を行って公平な土台を作ること。をいいます。性別や年齢、国籍や境遇などの違いに応じた適切な支援や調整を行い、個々の方々が公平に活動できる状態をエクイティと表されます。

ロータリー的には、「ロータリーへの入会、参加、リーダーシップの機会といった面で、歴史的に特定のグループの人びとが障壁に直面していたという点を認識し、すべての人が成功のためのリソース、機会、ネットワーク、支援への必要なアクセスを得られるよう、地域社会でのパートナーシップも含め、ロータリーのあらゆる側面で公平さを促進していくことに私たちは全力を注ぎます。」という言葉に表されています。

歴史的にも社会的不平等のなか、それを是正する方向性がエクイティです。マイノリティ問題の改善男女差別のないものへの積極的な対応が必要になってきます。

エクイティ（公平性）を理解するには、イコーリティ（平等）との違いを理解することでわかりやすくなります。エクイティ（公平性）と似た言葉にイコーリティ（平等）があります。しかし「公平＝平等」ではないと表現されます。

ただ、私の職業柄、それは定義づけの違いだと思うので、公平も平等もそれをどう理解するかの方が重要だと思います。

法律を勉強している者からすると、いわいる、機会の平等と結果の平等の違いだなと思います。それの方が少なくとも私には理解しやすいものとなります。エクイティは、いわゆる結果の平等を目指すものだということです。

機会の平等を与えればいいというものでなく、結果の平等をもたらす方向で行くように調整することを意味します。

この考え方は、日本国憲法、いわゆる生存権など社会権、社会保障の話に近くなり、新しく出てきたものではありません。

この考え方は、大きな方向性では正しいものであること明らかですが、行き過ぎると、逆差別、レッテル貼りにもなりかねないものです。努力している人が報われない場合があると表現されることにもなります。

結果の平等を求めるエクイティという概念は、このように理解するべきものだと考えています。