「　母子の健康月間に因んで：腰部脊柱管狭窄症　」

　　　　　スピーカー：神戸労災病院院長　鷲見　正敏　会員
　　　　　当　　　番：国際奉仕委員長　　中橋　康行　会員

腰部脊柱管狭窄症は、腰の部分で脊柱管という神経の通り道が圧迫される病気のことを言います。神経の通り道(脊柱管)の前には椎間板、後ろには脊椎の関節があり、これらが長年にわたって、立ったり座ったりしてかかる負荷のため、徐々に発達し、膨らんで脊柱管を狭くするわけです。脊柱管には足や会陰部、肛門にいく神経が通っていますので、これらの神経が圧迫されることで、足のしびれや痛み、会陰部のしびれや灼熱感などが出現します。足のしびれや痛みは歩くと出現し増悪しますが、座位やかがむと消失・軽減します。いつもではなくて、休むと軽くなる症状ですので、これを「間欠跛行」と言います。狭窄症には、一方の足が急激に痛くなる「神経根型」と両足が全体にしびれて歩きにくくなる「馬尾型」があります。症状は「神経根型」の方が強いですが、「馬尾型」の方が圧迫は強いので保存的治療にてもあまり効果がなく、手術に至るのは「馬尾型」の方が多いです。「神経根型」の症状は注射や薬などで70%の方で生活に支障がないくらいに良くなりますが、「馬尾型」は逆に75%が悪化します。
　これらの狭窄症を引き起こす「狭窄」は徐々に出現してくるものですので、症状がなくても「狭窄」のある人はたくさんおられます。つまり、「狭窄」があっても「狭窄症」でない状態は多くありますので、「狭窄症」に対して注射や薬で治療することで「狭窄」があっても「狭窄症ではない」人になることができます。
　手術方法には、「除圧術」（きついズボンのウエストを切って緩めること）と「除圧＋固定術」（ズボンのウエストを切って緩めすぎてズボンがずってしまうようなときには、ズボン吊りで固定する必要があります）があります。患者さんの状態によってどの方法を選択するかは決めます。内視鏡あるいは顕微鏡を使った手術方法（除圧術）をすることもありますが、どの方法がその患者さんにとって最良かを選択することが大事で、なんでもかんでもマクドのハンバーガーが安くて早いから良いとは限りません。美味しいフレンチが邪魔くさいし高いけれど良い場合もあります。
　手術を急ぐ必要のある患者さんはありますが、急ぐ必要のないことも多いです。こういった方の場合、いつも不安に思われるのは、「手術をしないで粘って結局は手術を受けた場合、手遅れになってしまわないか。」ということです。そういったすぐに手術をした方と粘っても結局手術をした方の成績を比較したことがありますが、最終的な成績に差はありませんでした。つまり、症状がさほど強くない患者さんには手術を急いですることを考慮しなくてもよいということになります。
「腰部脊柱管狭窄症」は、ひどいときには寝たきりになる可能性のある病気ですが、きちんとした医師に診てもらいながら、慌てず適確に治療を受けることで良くなる病気です。

☆親睦活動委員会　　平山　一哉　委員長

・例年開催しておりました春の家族例会は、会場都合により開催できませんので、それに代わり５月２２日（火）の例会を会場のみの移動例会とし、ＪＲ神戸駅山側の「天安閣」にて家族例会を開催しようと思います。理事会承認を得て改めてご報告いたしますので、ご参加のほどよろしくお願い致します。
・５月１１日、友好クラブの東京大崎ＲＣさんの３３周年記念例会が開催されます。
・親睦委員会の皆様は例会終了後会場前のソファーにお集まりください。

☆誕生日お祝い　　　平山　一哉　親睦活動委員長

岩﨑　重曉　会員（１日）　野田　浩二　会員（４日）　橋本　猛央　会員（２４日）

☆結婚記念日お祝い

鷲見　正敏　会員（１日）　奥田　祐司　会員（１３日）　佐々木仁朗　会員（２１日）

北田　義光　会員（２３日）　田中　寿壮　会員（２４日）　吉田　泰弘会員（２９日）

押部　浩二　会員（２９日）

☆委嘱状伝達式

河南会員あて米山記念奨学委員会　委員の委嘱状が届いています。